故郷ナゴルノ・カラバフから逃れようと大渋滞……アルメニア系はほとんど全員脱出と

アゼルバイジャンが9月19日から20日にかけて、隣国アルメニアとの係争地ナゴルノ・カラバフを攻撃し掌握したことで、アルメニア系住民が難民となって続々と同地から逃れている。
アルメニア政府によると、9月30日までに10万人以上がナゴルノ・カラバフを脱出した。同地域に住んでいたアルメニア系のほぼ全員が、脱出したことになる。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)も、10万人以上が難民としてナゴルノ・カラバフからアルメニアに入ったと発表。その多くが「空腹で疲れ切って」おり、「ただちに支援する必要がある」という。
ナゴルノ・カラバフを実効支配するアルメニア系政府の幹部だったアルタク・ベグラリヤンさんは、最後まで残った住民が30日にアルメニアに向かったとソーシャルメディアに書いた。
「残っているのは多くても数百人で、そのほとんどは当局者、救急サービスのスタッフ、ボランティア、特別な手当てを必要とする人たち」だと、ベグラリヤンさんは説明した。
アゼルバイジャン政府は、アルメニア系住民を「平等な市民」として再統合したいとしているが、アルメニア政府はこれを単なる「うそだ」と非難した。
南コーカサスの山岳地帯のナゴルノ・カラバフは、国際的にはアゼルバイジャンの一部として承認されている。だが30年にわたり、アルメニア系住民が実効支配してきた。アルメニア政府に加え、同国の同盟国ロシアもこの支配を支援しており、ロシア兵数百人を長年配備してきた。
アゼルバイジャン軍の今回の攻撃で、少なくとも200人のアルメニア系住民と数十人のアゼルバイジャン兵が死亡した。ロシアの平和維持軍の隊員5人も死亡した。
ナゴルノ・カラバフを脱出しアルメニアに入ろうとするアルメニア系住民の車列で、大渋滞が起きている。
現地にいるシラナシュ・サルグシャン記者は29日、行列は60時間以上も続き、国境を越えるにはさらに24時間はかかりそうだと報告した。

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